ウニ江さんは血液検査の結果がひどくって、手術中止になった。けろっとして帰ってきた。血がだめだって。きっとぼくに似ちゃったんだ。ひどいよな。かわいそう。ごめん。最近はごめんばっかり。ほんとおまえには悪いと思ってる。だからなくなったスプーンがベッドの中で見つかっても、すごいねー、よくできたねーって、ほめてやるんだ。たくさんなでてあげるんだ。おてんばでもいい。もうほんと、いてくれればそれでいい。でもできたらぼくより長生きしてくれ。たとえばわずか一日でもいい。ぼくよりあとで死んでくれ。何もいらない、俺の手を握り、涙のしずくふたつ以上こぼせ。お前のおかげでいい人生だったと、俺が言うから、必ず言うから。やばい泣けた。ありがとうウニ江さん。俺死んでもぜったいおまえのこと、忘れない。あの、さだまさしが出たんでついでの話、最近はミドリカワ書房ばっかり聴いてます。作り話にまんまと泣かされちゃうようなの、北の国からとかドラえもんとか、やっぱどうしたって好きだよね。そういうのなら気楽でいいよ。