ずっと息をひそめて留守のふり。あの頃はよかったって、言いたくて、言えるように、それだけでずっとがんばってんだ。言わせろよ。1000年も経てばもういいだろう。言わせろよ。あの頃はよかったよくそう。ぼかぁねえ、本当でいたいだけなんだよ。って、酔っぱらってくだ巻く相手も今日はいない。ウニ江さんは手術に行ってる。ふかふかのお腹に包帯巻かれて帰ってくんのかな。まったくお酒だよ。お酒はいいよ。いんちきやろうはみんなもっとお酒を飲めばいい。酔っぱらうってのは、本当の自分が濃縮されて出てくることなんだと思う。しゃべりすぎたり、ちょっと失敗したり、どうでもいいうそをついたり、悲しいことでものすごく落ち込んだり、大事なものを強く願ったり。1000年後のためにずっとがんばって、今でもまだがんばってる。ぼくは本当でいたいのよ。こっちの暮らしは、結局そっちとあんまり変わらない。焼酎をお湯で割って、ぐるぐるする頭で天井の模様を数えて、たまに窓を開ける。まじめに並べなおしてみながら、とりあえず一日ずつ過ぎる。だまってようと思ってたんだけど、どうせここは見世物小屋だ。