吉祥寺に新装開店した居酒屋清龍は、お酒は一合140円から、料理もほとんどが280円とか380円とか、とにかく安い。お酒はおいしいが、つまみはまずい。というかお酒もそんなにおいしくないかも。何がいいかって、夕方4時の開店直後に行くと一人飲みのおじいさんたちで席が埋まっているとこ。ちゃんとおじいさんたちの社会が出来ていて、来る人来る人みんな軽くあいさつを交わして相席する。話題は誰々さん今日はどうしたとか清原がかわいそうだとか、さながら区民センターの将棋サロンか近所の診療所の待合室の様相。で、どういうわけか、でもないけど、やけに居心地いい。みんな、適当にへらへらしたり興味のない話をして酔っぱらってるうちに時間が過ぎちゃえばいいと思っているんだろう。あそこでおじいさんたちを眺めながら飲んでいると、街中にいるときほど浮いてる気はしない。昔、しゅんくんの前世はきっとおじいさんだね、と言われたことがあるんだけど、前世ってそういうのでもいいのかな。誰に聞いたらわかるんでしょう。