musashino_tkc2004-12-02

ウニ江さんはよく自分のしっぽを追いかけて暴れている。たぶん本気だ。他のねこもやるのかしらと思ってねこを飼ってる人に聞いてみたけど、そんなことはないらしい。ねこにも知恵遅れってあるんだろうか。おーいウニ江さん、と呼ぶと、自分のことだというのは一応わかるみたいで、いったんこっちを向く。何を考えてるかわからないので心配になることがあるけれど、何を考えてるかわからないのは人間だって同じだものね。今夜もさむい。さっき駅のそばの飲み屋まで歩いて行って、熱燗を飲みながらお刺身を食べた。前にその店で食べたお刺身が当たったことあるけど、忘れていた。人間は忘れる生き物ですから。家に帰る道の途中は夢で遊んでたつづきみたいで、さみしくはないけどなんだかへんなかんじ。迷子になりそうな、なってしまったような、へんなかんじだ。記憶はねじれていくが、今日の景色は一度きり。消防車がすごいスピードで通り過ぎる。そういうときに何を考えればいいのかよくわからない。帰り道は人生の縮図である。と思いついたけど、別にそんなことないな。我ながら投げ遺り。家に着いてから風呂に20センチだけ張ったお湯に足をつけて、本を読みながらビールを飲んだ。おー、ラグジュアリー。だけどこのやたら情けない気持ちは、なんだろうね。